お正月休みにおすすめの、疲れない本『阿佐ヶ谷姉妹ののほほんふたり暮らし』

昔からずっと言われてるけど、12月って疲れるじゃないですか。
正確に言うと12月のお客さんって疲れるじゃないですか。

大切なボーナスを持ってパーッとしに来てくれるのはありがたいけど、まったく遊び慣れていないうえに失礼な人(遊び慣れていないだけなら、お話しすれば聞いてくれるもんね)がテンション上がって傍若無人、もう来ねえしいいやとばかりに暴挙の限りを尽くしていく事件が起こりがちなのが年末よ。つまり今よ。あああ。疲れてます、わたしもけっこう疲れてる。

もう生身の男の人と触れ合うのしんどい……となってしまったとき、絵の中にいる2次元の人やスクリーンの中のスターさんを見て元気をもらうことってあるよね。わたしは、物語の中にいる活字でできた人から癒しを得ることが多いです。

というわけで、かっこいいおじさまとかが出てくる本を紹介しようと思ったんだけど、もっといいのがあったから今日はそれ!

阿佐ヶ谷姉妹/幻冬舎
帯にある「時にいざこざもあるけれど、おおむね楽しく自由に、のんびり暮らしております」って、もう、それ!って思った、わたしはそれになりたい!

kindle版はこっち。

水商売の女友達どうしって、よく気軽に言ったりしませんか?
老後にふたりともひとりだったら一緒に住もうねー、みたいなこと。
半分以上は冗談というか、ただ友達でいてくれてありがとう、これからもよろしくね、って気持ちを表すために言っている言葉ではあるんだけど、3%くらいは本気だったりする。

それの、とても現実的でかつ理想的なかたちを見せてもらったのがこの本だなあって感じです。

しっかり者で人におみやげをあげるのが好き、でも時々うっかりしちゃうエリコさんと、奔放な猫タイプで定期的にひとりになりたい、実は破滅的で残酷な映画を愛するミホさん(千鳥のノブ氏に『ここ最近で一番やばい』と言われたっていうから本物だよね)。

テレビで見かけるお二人のかわいらしい姿を思い浮かべながら読むと、ああ、本当にあんな感じなんだろなあ、ってとってもリアルに頭の中で映像が出来ちゃうような全編なんだけど、「時にいざこざ」のところがちゃんと描かれているのがいい。確執とか衝突とかそんな大袈裟なことでもない、意地を張る価値もないようなちょっとしたことで「もう!」ってなる感じ。
YouTubeでめちゃくちゃ流行ったお二人のモーニングルーティーン動画、あれをそのまま文字にした世界でした(あれ待機で見ると心が安らぐ)。

大恋愛で結ばれたどうしでも、どんなに気の合うどうしでも、一緒に暮らすって簡単なことではないと思います。他人なんだもの。お互いのことを理解する気持ち、歩み寄る気持ち、思いを伝えあってできるだけ良い形に折り合いをつけるための労力をいとわないこと、それを日々積んでいくことなんですね。
自分の40代というのはまだ具体的にイメージできてない(そろそろできないとまずい)んだけど、自分で「自由」って言い切れるって、大事なことだと思うし憧れる。

お正月のにぎやかなテレビにちょっと気が向かないようなとき、ごろごろしながらのんびり読み返したい本でした。

ところでこれ、基本的に全編タイトル通りほのぼのしてるんだけど、いちばん最後のシチューの章、あれ読んだときだけはTwitterでちょっとバズって回ってくる百合のマンガかと思ったわよ……。

I footnotes
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