お風呂、そのメリットとデメリット
お風呂でお客さんが倒れないようにできることや、万が一のときどうする?って回はこちら。
今回は女の子側の安全の話。本題です。
わたしの考えるお風呂4大メリット
入りたくないけど入りたい、けど入りたくない。わたしの考えるお風呂のいいところはだいたいこの4つです。
★ 間が持つ
圧倒的に間は持ちます! 正直150だの180だので全編ベッドにいるのきつすぎるもんね。
★ 本強が起こりにくい
(もちろん起こすやつはいつでも起こすが!)極端な受け身になることが少ないので、お客さんの馬鹿力によって負傷する可能性は比較的低い……かな。
★ 撮れ高が作れる
いい言い方が思いつかなかった。あとでお客さんが思い出した時に、背景の違う場面の記憶が多いと「充実していた」と思いやすいので、いいよね。みたいな意味です。
★ お客さんがイキやすくなる
ただの体感ですが、たぶんみんなも思っているのでは。適度に身体が温まり、血流がよくなっている方がうまくいきやすい気がします。
「きつい体臭がシャワーだけに比べ若干薄れる」も入れようかと思いましたが、やめました。そんなことになってる時点でつらいから……。
対して3大だめなところがこれ。
★ メイクが落ちる
しょうがない。ウォータープルーフであっても蒸気には耐えきれなかったりするし、お湯で落ちる〇〇は、当然ちゃんとふやける。誰のせいでもない。湯上がりにちゃんと残っているとうれしい気分にはなる。
★ 滑るおそれがある
ふつうにやっててそんなことはなかなかない。が、お客さんがはしゃいだり調子に乗ったり、いらんことをしようとした動きによって思わぬ危険が降りかかることがある。客の転倒に巻き込まれたらひとたまりもないので手を貸さず逃げてほしいが、一瞬のことだと難しいし、相手がとっさにつかまってきたら最悪。
背中を洗われているのに体をねじってまで乳首をいじろうとしてバランスを崩す者、即刻きなこねじり[*1]きなこや砂糖を練り合わせ、棒状にしてねじった形の和菓子。に転生してほしい。
★ のぼせるおそれがある
きょうの本題。お客さんがゾーンに入ってしまい長時間に及ぶと注意が必要。
本題からそれるけど、滑るのも本当に怖いので、つかまる場所は常にアタマの中で確保しておいてね。あと足の爪はあんまり伸ばしすぎないでほしい……ころんだ時に爪を引っ掛けて、ベロッと大変なことになった話をきいたことがあるので。
痛い話をしてしまったのでねこちゃんをごらんください。
のぼせる危険、けっこう身近
われわれはお客さんに比べて圧倒的に内心のウキウキ度がゼロ地点なので、のぼせそうなことに気づかず……という事態は起こりづらいはずなんです。ただ変にテンション上がった人にあれこれやらされた時が危ない。圧倒的に体積が少ないのだからあなたが平気だからといってこっちも平気なはずがないのに、あれやってこれやってと言ってくるタイプに当たるときついです。やばいなと思って「ちょっとのぼせちゃった」と言ったとき、嬉しそうに「オレに?」と言われたことのある人、絶対100万人いるよね。なんなんだ。こういう、オヤジギャグともまた違う、おめでたいノリで繰り出される面白くないボケにジャンル名がほしい。
そもそもこの業界のの女の子、貧血だったり低血圧だったり(どちらものぼせやすい)の率高くない? ほっそりした子(体重が軽いということは血液量が少ないわけで)も多いし、とても心配です。
しかしそれはそれとして、デリのロングコースはお風呂である程度時間を使いたいのも切実にほんと。
場の雰囲気とお客さんのタイプに合わせてやっていくしかないんですよね。参考になるかわからないけど、わたしがやってることをいくつか書きます。
案1 先に湯船に浸かる
しっかり身体を洗ってからお湯に浸かりたいのはやまやまですが、とくにお風呂で長時間使いたい場合はいきなり入っちゃうときもあります。わたしがやっている、尺が取りたいときのバスタイムの流れはこんな感じです。
- かけ湯だけして、湯船に入る
- 軽い世間話から頃合いをみて「洗っちゃいましょ♡」と言って一度出る
もう終わり!?と渋られる場合は、ほら、洗えばいろいろ舐めたりもできるから……と期待をもたせてどうにかする。 - 身体を洗う
プレイを兼ねながらゆっくりみっちり洗う。ただ洗いながらのプレイ各種は、ソープでやるタイプのテクニックをデリでやると引く人が多い。どういう理屈かは不明。何度か指名されてからちょっとした味変としてやるのはいいらしい。ますます不明。 - 「もっかいしっかりあったまろっか♡」と言って湯船に戻る
- トークが盛り上がるならそれで良いし
- 余力に応じ、湯船内でプレイを織り込みお客さんの中の撮れ高を稼ぐ
素人キャラにしていてやりづらい場合は「無防備な男にイタズラ心がうずき、ついちょっかいを出してしまう小悪魔的美少女」を装ってがんばってみてください。 - たとえ盛り上がったとしても、体力に余裕を残して出る
「のぼせちゃいそう♡」と言い終わらないうちに出る。出る時は有無を言わさずに出る! 急に立ち上がってクラッとこないように気をつけてね。
案2 心臓より下だけ浸かる
本当は半身浴状態だと、身体への負担がかなり減ります。ただ、一緒にお風呂に入ってゆっくりお話する、という時に思いっきり胸を出す体勢はちょっとないですよね。
なので、お客さんと向かい合わず同じ向きで抱きかかえられるように入り、足首から先を上に出す、というのをよくやっています。足首だけでも外に出ていると少しのぼせにくい気がします。軽くクロスさせると雰囲気出ます。
ちなみにお話をしながらお客さんの手をマッサージするのがおすすめです。
(理由:よい客の場合…喜ばれるかもしれないから。それ以外の場合…乳首を後ろから手探りでひねりに来るのを封じたいから)
自分だけが圧倒的に早く暑くなりそうかも、というとき[*2]ただのイメージになっちゃうけど、とても太っている人ととてもやせている人はどちらも、なかなか身体が温まらない印象があります。ボリュームがあってもロバートの秋山さんみたいな人は、わりとすぐホカホカしている気がする。は、良きタイミングでまるで積極的なフリをして少し動き出し、しかしのぼせそうなプレイ(潜望鏡的なものなど)は早めに切り上げ、身体を温めすぎない体勢でのプレイで時間を使うといいです。心臓まわりが外に出てるとましなので、お客さんの後ろに回って背中や耳付近を舐めたり、立ち上がって肩や首のツボを押したりしています。
案3 有無を言わさずぬる湯を入れる
湯温にこだわりのない人だといいのですが、カァ〜ッとかクゥ〜ッとか、こっちが心配になるような声を上げながら入るんじゃなきゃ生きた心地がしないって言う人たまにいるよね。いちど冗談のつもりで「もしかして江戸っ子ですか?笑」ってきいたら「そうだよ!じいさんのじいさんのそのまた前からずっと、ただの荒れ地だった時からね!」と(何時代なんだろう…)言われたので恐れ入りました。70代の人だったから心配だった。生きた心地を得るためなら死んでもいい、たしかに落語とかで江戸っ子が言ってそう。
応急処置 手のひらを冷やす
お風呂終わりにのぼせの気配があるときは、足先にぬるい水をかけたり、せめて手だけでも冷やして一息ついています。手足の血管を収縮させると多少気分が良くなるので。
洗面台でお水を出して両手をつけながら、あ〜あ……………と鏡の中の自分をねぎらっていることが多いですが、このとき先にお客さんが部屋に戻っている場合、気休めとして(間取りにもよるけど)洗面所と部屋をつなぐドアはわざと開け、ちょっと物音を立てます。あまり心理的距離が離れると魔が差して、こちらの私物や脱いだ下着などをいじったりするとよくないので。すぐ行くよ! って牽制のつもりです。伝わってるかどうかは謎です。
だめな時は休もう
難しいことなのは百も承知だけど、気分がすぐれない時はちょっと休憩させてって言っていいし、どうしても体調がよくない場合は帰っちゃっていいはずなんですよね、後のことは店におまかせして。だって人間なんだから、いくらでもある話なんだし。
生きている人間にサービスをしてもらうというのはとても贅沢なことで、どんな価格設定であっても生きているゆえの不確実性は了承している前提での売買契約であるべきだし、そうならざるを得ないものだと思っています。急に具合が悪くなることも、毎回同じコンディションじゃないことも、すべては映像でも画像でもない「生きている人間のサービス」を選んだ時点で納得してなきゃいけないと。納得できる人だけに向けられたものだと。
それを理解できるお客さんと協力してくれる環境がみんなにあればいいのだけど、現実は難しい。しかしあるところにはまあまああるので、めぐりあってほしい……としか言えなくてごめんなさい。でも意地でも早退させないとか罰金取る店とかたまに聞くけど本当どうかと思う。そういう姿勢でやってる組織に身をあずけて頑張るよりも、見限る力に変えた方が確実に人生はましです。
(どうでもいい昔ばなし)
わたし自身も初心者のころ、お風呂でのぼせてからなかなかほてりが取れず、でも休める空気じゃなくて、どうにかこうにかやり過ごしたことがあります。「本当だ、ずいぶんカラダが火照っているね……エロい子だなグッフッフ」と言われメルヘンファンタジックドリーミング本強と戦う羽目になったからです。
事務所に帰って体温を測ったら38.5度、予約を1本飛ばして送ってもらって家についた時は39度を超えていて、店長が予約なんていいから帰って休めと言ってくれるタイプでよかったなと思いました。今ならどんな演技をかましてでも帰りますが……。
参考にしたサイト
photos
cover… Brooke Lark
kitten… Koen Eijkelenboom